私は体育会系とは程遠い生活を続けてきました。「走る」ことは大嫌いで、運動会も、もちろん嫌い。小さい頃は太っていたので、水の中では浮きました。腕の力もあったので、水泳は得意でした。大人になってからも運動と呼ばれるものは避けており、得意だった水泳を時々、まあ、10年に3ヶ月位の感じでやっていました。
しかし、世は健康ブームで、人間ドックを受ける歳にもなり、当然、メタボ!運動不足!の診断が毎年下っていました。目の前にある物は食べないと食べ物に失礼という考えを実行していましたので、その結果も当然のものでした。精密検査を受けるわけですが、さすがに良い結果を出そうと色々考えるわけです。尿酸値を下げるためには二週間くらい前から水をがぶ飲みするとか。腎臓には悪そうだけど、とりあえず尿酸値を下げればいいや、くらいの気持ちで。
それは、それなりの結果が出るのですが、メタボはクリアできません。メタボの判定の第一関門が男性だとウエスト85センチメートル以上。第二関門が血圧、血糖、脂質のうち2つ以上の 異常があること。血圧は大丈夫でしたが、脂質は完全にアウト状態、血糖は?なので、メタボ判定から確実に逃れるためには、ウエストを85センチメートル未満にするしかない、という理解に達しました。これが私の運動の始まりです。
体重を落とすためには、そう、ウォーキングです。一日一万歩です。私は凝り性ですが、飽き性です。一万歩から始めましたが、なかなか体重が落ちません。一日一万五千歩にすると体重が面白いほど落ち始めました。三ヶ月で五キログラムくらい減りました。ダイエット大成功です。私は飽き性です。精密検査でいい結果が出て、体重の減少も鈍るとサボる理由をもうひとりの自分が探し始めます。
一日一万五千歩は、仕事が始まる前に七千歩、昼休みに二千歩、仕事が終わってから六千歩、歩くだけの生活って面白くないんじゃない?それを毎日続けるって、どれだけストイックよ、それって自分にウソついてないか?楽しいこともしないと精神的におかしくなるよ、もう精密検査も終わったし。
もう一人の自分がささやきだして、飲み会が二日続くと、以前の自分に戻っています。三週間で五キロのゲイン。モチベーションが続かないのですね。
その後も、人間ドック→再検査通知→運動、食事療法→再検査→よかったり、悪かったり、が続きます。飽き性ですが、研究熱心な私は、どんな運動をしたらいいか、そんな食事をすればいいか、一年のうちの三ヶ月は考えるわけです。もちろんモチベーションを保つ方法も研究して頑張りました。その結果、毎年、プチダイエットとリバウンドを繰り返すことが続いたのでした。
それから私が得たものは、全然筋肉質でない肉体とだんだんダイエットさえ面倒くさくなってくる精神でした。
コメント